令和8年度版 / 確認日 2026年11月6日
非正規の人の待遇を良くした会社を、国が応援する制度です。
パート、アルバイト、契約社員、派遣社員などの人を正社員にしたり、お給料や制度を良くしたりした会社が受け取れる助成金です。受け取るのは働く人ではなく、会社です。
いちばん大事なこと
取り組みを始める日の前日までに「キャリアアップ計画」の提出が必要です。先に正社員にしてしまうと、間に合わないことがあります。考え始めたら、早めに労働局かハローワークへ相談しましょう。
コースと金額の一覧
コースは 6 つあります。金額は取り組みの内容によって変わります。スマホでは、表を指で横に動かせます。
| コース | どんなとき | 中小企業 | 大企業 |
| 正社員化 | 有期雇用の人などを正社員にした(1人当たり) | 最大 80万円 | 最大 60万円 |
| 障害者正社員化 | 障害のある有期雇用の人などを正社員などにした(1人当たり) | 最大 120万円 | 最大 90万円 |
| 賃金規定等改定 | 基本給の決まりを 3% 以上増額した(1人当たり) | 最大 7万円 | 最大 4.6万円 |
| 賃金規定等共通化 | 正社員と共通の賃金の決まりを作った(1事業所当たり) | 60万円 | 45万円 |
| 賞与・退職金制度導入 | 賞与や退職金の制度を導入した(1事業所当たり) | 最大 56.8万円 | 最大 42.6万円 |
| 短時間労働者労働時間延長支援 | 社会保険に加入させ、労働時間を延ばすなどした(1人当たり・1年目) | 40万円 小規模企業は 50万円 | 30万円 |
有期: 働く期間の終わりが決まっている契約 / 無期: 終わりが決まっていない契約
正社員化コース
有期雇用の人などを正社員にした場合です。勤務地限定・職務限定・短時間の正社員も含みます。
| 転換の内容 | 中小: 重点支援対象者 | 中小: それ以外 | 大企業: 重点支援対象者 | 大企業: それ以外 |
| 有期 → 正規 | 80万円 | 40万円 | 60万円 | 30万円 |
| 無期 → 正規 | 40万円 | 20万円 | 30万円 | 15万円 |
- 上限は 1 年度 1 事業所当たり 20 名です(同じ人の 2 回目の申請を除く)。
- 重点支援対象者は、半分ずつ 2 回に分けて支給されます。
- 新規学卒者で、雇い入れから 1 年たっていない人は対象外です。
- 令和8年10月1日以降に転換する場合、賃金の増額を計算するときの生涯設計手当・企業型確定拠出年金(選択型)の扱いが変わっています。当てはまる会社は Q&A を確認しましょう。
重点支援対象者とは
次のどれかに当てはまる人です。
- 雇い入れから 3 年以上の有期雇用の人
- 雇い入れから 3 年未満の有期雇用の人で、過去 5 年間に正社員だった期間が合計 1 年以下、かつ過去 1 年間に正社員として雇われていない人(新規学卒者を除く)
- 派遣労働者、母子家庭の母等または父子家庭の父、人材開発支援助成金の特定の訓練を修了した人
加算(1事業所当たり 1 回のみ)
| 内容 | 中小企業 | 大企業 |
| 正社員転換の制度を新しく作り、転換した | 20万円 | 15万円 |
| 多様な正社員制度を新しく作り、転換した | 40万円 | 30万円 |
| 転換に関する情報を、自社サイトや「しょくばらぼ」に公表した | 20万円 | 15万円 |
障害者正社員化コース
障害のある有期雇用の人などを、正社員などに転換した場合です(1人当たり)。
| 転換の内容 | 重度身体・重度知的・精神: 中小 | 同: 大企業 | それ以外: 中小 | 同: 大企業 |
| 有期 → 正規 | 120万円 | 90万円 | 90万円 | 67.5万円 |
| 有期 → 無期 | 60万円 | 45万円 | 45万円 | 33万円 |
| 無期 → 正規 | 60万円 | 45万円 | 45万円 | 33万円 |
- 助成額が、対象期間の賃金の額を超える場合は、賃金の総額が上限です。
賃金規定等改定コース
有期雇用の人などの基本給の決まりを 3% 以上増額し、適用した場合です(1人当たり)。
| 増額の割合 | 中小企業 | 大企業 |
| 3%以上 4%未満 | 4万円 | 2.6万円 |
| 4%以上 5%未満 | 5万円 | 3.3万円 |
| 5%以上 6%未満 | 6.5万円 | 4.3万円 |
| 6%以上 | 7万円 | 4.6万円 |
- 上限は 1 年度 1 事業所当たり 100 名です。
- 対象は、改定の 3 か月以上前から改定後 6 か月以上、続けて雇われている人です。
- 決まりは、原則としてすべての等級を 3% 以上増額します。
- 最低賃金が上がった場合、最低賃金に達するまでの増額分は 3% に含めません。
- 雇用形態別や職種別など、合理的な区分なら、一部の人だけを対象にしても助成の対象です。
- 改定後の決まりを 6 か月以上運用し、定額の手当などを減らさないことが必要です。
- 職務評価の手法を使った場合、昇給制度を新しく作った場合は、それぞれ 1 事業所当たり 20万円(大企業 15万円)の加算があります(各 1 回のみ)。
賃金規定等共通化コース
雇用するすべての有期雇用の人などに、正社員と共通の賃金の決まりを新しく作って適用した場合です。
中小企業 60万円 / 大企業 45万円1 事業所当たり 1 回のみ
- 賃金の区分を、有期雇用の人と正社員のそれぞれに 3 区分以上作り、共通の区分を 2 区分以上設けます。
- 有期雇用の人の時間当たりの賃金は、同じ区分の正社員と同額以上にします。
- 共通の決まりを 6 か月以上運用し、基本給や定額の手当を減らさないことが必要です。
賞与・退職金制度導入コース
すべての有期雇用の人などを対象に、賞与や退職金の制度を新しく作り、支給または積立てをした場合です。
| 導入する制度 | 中小企業 | 大企業 |
| 賞与または退職金のどちらか | 40万円 | 30万円 |
| 賞与と退職金を同時に | 56万8,000円 | 42万6,000円 |
- 1 事業所当たり 1 回のみです。
- 賞与は、1 人につき 6 か月分相当として 5 万円以上の支給が必要です。
- 退職金は、1 人につき 1 か月分相当 3,000 円以上を 6 か月分、または 6 か月分相当として 18,000 円以上の積立てが必要です。費用は全額、会社が負担します。
- すでに一部の人に制度があり、対象を全員に広げただけの場合は対象外です。
- 就業規則に決まりがなく、慣例で払っていた賞与を規定した場合は、対象となり得ます。
短時間労働者労働時間延長支援コース
パートなどの短時間で働く人を新たに社会保険に加入させ、労働時間を延ばすなどした場合です(1人当たり)。当分の間の暫定措置です。
1 年目の取り組み
次のどれかを行うと、小規模企業 50万円、中小企業 40万円、大企業 30万円です。
- 週の労働時間を 5 時間以上延ばす
- 4 時間以上 5 時間未満延ばし、賃金を 5% 以上増やす
- 3 時間以上 4 時間未満延ばし、賃金を 10% 以上増やす
- 2 時間以上 3 時間未満延ばし、賃金を 15% 以上増やす
2 年目の取り組み
1 年目の後に次のどれかを行うと、小規模企業 25万円、中小企業 20万円、大企業 15万円です。
- 労働時間をさらに 2 時間以上延ばす
- 基本給をさらに 5% 以上増やす
- 昇給、賞与、退職金のどれかの制度を新たに適用する
対象となる人の主な条件
- 労働時間の延長などの 6 か月前から、続けて雇われている
- 過去 6 か月間、社会保険の加入条件を満たしていなかった
- その事業所で、過去 2 年以内に社会保険に加入していなかった
- 事業主や取締役の 3 親等以内の親族ではない
小規模企業: 常時雇用する労働者が 30 人を常態として超えない事業主
申請の流れ
計画を作って出す
取り組みを始める日の前日までに、キャリアアップ計画を提出します。
取り組む
必要に応じて就業規則などを直し、正社員への転換や待遇の改善を行います。
6 か月分の賃金を払う
正社員化の場合は、転換前の 6 か月と比べて 3% 以上の増額が必要です。
支給申請をする
6 か月分の賃金を払った日の翌日から 2 か月以内に申請します。
審査のあと、支給決定
労働局が審査します。内容によっては時間がかかることがあります。
計画の提出と支給申請は、窓口への持参、郵送、電子申請でできます。
受け取れる会社の条件
全コース共通の条件
- 雇用保険適用事業所の事業主であること
- 事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を置いていること
- 事業所ごとに計画を作り、労働局長に提出していること
- 労働条件や賃金の支払い状況が分かる書類を整えていること
- 計画期間内に取り組み、コースの要件をすべて満たしていること
受け取れない主なケース
- 労働保険料を納めていない
- 申請日の前日から過去 1 年間に、労働関係の法律に違反した
- 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業などを行っている
- 暴力団と関わりがある、暴力主義的破壊活動を行う団体等に属している
- 申請日や支給決定日の時点で倒産している
- 申請時や支給決定時に、雇用保険適用事業所の事業主でない
中小企業の範囲
資本金か、常時雇用する人数のどちらかが範囲内なら中小企業です。資本金がない場合は人数で判定します。
| 業種 | 資本金の額・出資の総額 | 常時雇用する労働者の数 |
| 小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
注意点
- 就業規則に、正社員との違いが書かれていないとどうなりますか?
- 正社員化コースでは、正社員と異なる雇用区分の就業規則などが、通算 6 か月以上適用されている必要があります。「個別の雇用契約書で定める」としか書いていない場合は対象外です。
- 転換後の「正社員」には、どんな条件がありますか?
- 「賞与または退職金の制度」と「昇給」が、転換の時点で適用されている必要があります。転換後に試用期間を設けないように注意しましょう。
- 提出した書類は、あとから直せますか?
- 会社の都合で、差し替えや訂正はできません。出勤簿や賃金台帳は原本かそのコピーが必要で、転記したものなどは不支給となります。書類は支給決定から 5 年間保存します。
- 不正受給をするとどうなりますか?
- 不支給や支給の取り消しになります。返還に加えて、年 3% の延滞金と返還額の 20% の違約金がかかり、5 年間は雇用関係の助成金を受け取れません。企業名の公表や刑事告訴の対象になる場合もあります。申請を代理人に任せていても、事業主は処分の対象です。
- 「無料査定」「100% 受給できる」という勧誘が来ました。
- 厚生労働省、労働局、ハローワークはこうした勧誘に関与していません。要件を満たしていなければ受け取れないので、注意してください。
出典
このページは個人が学習のためにまとめたもので、公式サイトではありません。制度は年度の途中でも変わることがあります。実際に取り組む前に、必ず公式情報を確認し、管轄の労働局かハローワークへお問い合わせください。
確認日: 2026年11月6日